毎年、桜の開花がニュースになるころ、桜の樹の根本には、可憐なスミレの花が咲いています。
何度か、お伝えしていますが、私は、数ある花々の中で、スミレの花が一番、好きです。
タチツボスミレとか、その他、スミレにもいろいろな種類がありますが、私が好きなスミレは「スミレ」というシンプルな名前の、濃い紫のものです。
この紫の可憐な花は、意外とたくましく、アスファルトの隙間から、芽吹き、花を咲かせます。
「強くて美しい」
私が感じる、スミレの魅力です。
紫は、スピリチュアルな世界でも、とても大切な色です。
精神性の高さや、高次の意識に通じるものを感じます。
日本でも、聖徳太子による「冠位十二階」の最高位の色は、「紫」です。
西洋でも、「the purple」は、「王権・帝位・枢機卿」の意味です。
私がこの花を好きになったのは、幼い頃に出会った、ある女性の影響が大きいです。
その人は、「おきんおばちゃん」と呼ばれていた、静岡浅間神社の社務所の台所をとりしきっていた女性です。
私は、小学生の頃、共働きの両親を、祖父母の家で待つという生活をしていました。
祖父が、浅間神社の宮司となったため、祖父母は浅間神社境内の官舎に移り住みました。
私が放課後、帰る家も、宮司官舎となりました。
私は、両親が迎えに来るまで、社務所で働いている、高齢の女性たちと一緒に、境内の掃除などをして過ごしました。
女性の中の一人が、昭和の大女優・杉村春子さん似の、おきんおばちゃんでした。
彼女が、大好きな花がスミレだったのです。
春になると、おきんおばちゃんに頼まれて、私は百段階段を登り、賎機山で、スミレの花を探しました。
高齢のため、山に登って、スミレを探すのは、さすがに無理だったため、私に特命が下ったのでした。
見付けた時には、深く地面を掘って、植木鉢に植え替えて、おばちゃんのもとへ持って行きました。
私が植え替えたスミレの花を持っていくと、おきんおばちゃんは、とても喜んでくれました。
最初は、おばちゃんの大好きな花だったスミレですが、いつの間にか、私にとっても、とても大切な花になっていました。
おばちゃんたちは、私を可愛がってくれ、私も、おばちゃんたちと過ごす時間が大好きでした。
スミレの花を見ると、大喜びで、私の持って行ったスミレを胸に抱えていた、おきんおばちゃんを思い出します。
今年も、スミレの花を愛でることができ、とても、幸せな私です。
それでは、また、ブログでお会いしましょう!