このところ、過去の大作ドラマ及び映画のリメイクが話題になっていますね。
横溝正史、松本清張、山崎豊子など、過去に、映画化、ドラマ化され、評判をとった作品が再び、現代のタレント(俳優と言えない方も多々)さんをキャスティングして、作られています。
リアルタイムで、過去の良作を視聴していた身としては、観てみたいような、観たくないような、複雑な気持ちです。
直近では、フジテレビによる「砂の器」(松本清張)、テレビ東京による「二つの祖国」(山崎豊子)などが、目につきます。
「砂の器」は、私が一番好きな映画ですが、それについては、また、別の機会に。
今回、岡田准一主演で、山崎豊子原作「白い巨塔」がリメイクされるとのことです。
上の画像は、2003年版「白い巨塔」の冒頭シーンです。
高校生の頃、田宮二郎主演のこの作品を、熱心に観ていた私(年齢バレバレですね)。

「白い巨塔」をご存知無い方は少ないと思われますが、山崎豊子氏による原作小説は、大学病院の内側を描いた問題作として、注目されました。
主人公、苦学の末に大学病院の助教授(当時の表記)になり、時期教授と目されていた財前五郎が如何にして、自分の野望を遂げていくかを描いた物語です。
当時、高校生になったばかりだった私ですが、この作品が描いている世界観に惹きつけられた記憶があります。
主人公、野心に満ちた財前五郎を、田宮二郎氏が演じ、その愛人役を太地喜和子さんが演じておられました。
財前五郎の師である東貞蔵教授役は、中村伸郎氏、その娘、東佐枝子役は島田陽子さんでしたね。
東教授の学者然とした佇まいに対して、野心的な財前助教授の振る舞いが強調されていた印象がありました。

財前のライバルであり、出世より患者第一の内科医・里見脩二役は、山本學氏が演じました。
また、財前の誤診によって命を落とした患者を弁護する、清廉潔白な弁護士・関口仁を演じたのは、児玉清さんでした。
ちなみに、命を落とした患者の妻役を、中村珠緒さんが演じておられました。
40年以上も前の、ドラマの主要キャストを、ここまで鮮明に覚えていること自体、「白い巨塔」というドラマが、高校生だった私に与えたインパクトの大きさが分かります。
「白い巨塔」は、1978年に田宮二郎主演で実写化された後、2003年に唐沢寿明主演で再実写化されました。
2003年当時、存命だった原作者・山崎豊子氏が、唐沢寿明氏に「あんた、勇気あるわね」とおっしゃったというエピソードが、当時、話題になりました。
1978年版をリアルタイムで観た私も、2003年版を観る前に「唐沢寿明、大丈夫かな?」と思った記憶があります。
そして、今回、岡田准一氏の主演で、五夜連続のドラマとして、実写化されるとのニュースです。
納得の配役でした。

確認後、どうしても観たくなり、田宮版「白い巨塔」を借りてきて再視聴した私は、品川徹氏演じる大河内教授とはまた異なる、加藤嘉氏演じる大河内教授の正しさ、厳しさに魅せられました。
1978年版放映当時、高校生の私は、大河内教授の部分よりも、財前、里見の会話、医療過誤裁判のシーン、愛人役太地喜和子氏の演技などを鮮明に覚えていました。
2003年の私には、鮮烈に映った大河内教授のシーンが、高校生だった私には記憶の一部に過ぎなかったことに、我ながら驚きました。
なぜ?と考えてみたのですが、2003年の私は2年後の2005年の自宅開業(占断鑑定室)の準備にいそしんでおり、財前の姿勢を厳しく正す、大河内教授の生きる姿勢に心打たれたのだと、ある意味納得しました。
そして、最近の私は、2003年の唐沢版(DVDに自分でダビングしたもの)を再視聴しています。
現在、テレビ画面が2003年よりも横長になったので、両端の部分に余白が出ていますね。
「唐沢寿明、若い!」に始まり、「唐沢寿明、善戦してる」「東教授、描き方違う、こんなに俗っぽかったっけ?」などなど、楽しんで観ています。
今でも、田宮版の「東教授の総回診が始まります(文言、ちょっと記憶不鮮明)」で、始まったオープニング映像を思い出しますが、過去作品への敬意と共に、再実写化に踏み切った製作者の勇気と覚悟を、2003年の唐沢版では感じました。
今回、岡田准一版は、どんな風に描かれるのか、楽しみでもあり、観るのが怖いような気持ちでもあります。
私が一押しする登場人物、大河内教授、岸部一徳氏が演じられるそうです。
過去作品が高評価なだけに、善戦を期待したいところです。
放映日を、ワクワク(?)しながら待つ私です。
それでは、また、ブログでお会いしましょう!