おやすみなさい(ドラマ「とんび」観ました)

20130109-704783-1-N.jpg昨夜、TBSテレビで始まった、東芝日曜劇場「とんび」、ご覧になられましたか?

我が家では、NHKのダイオウイカの番組を見たくなかった母が、チャンネルを替え、偶然、見ることになりました。

しかも、初めのほうは、私はお風呂に入っていて、見ていません。

そんな、何の気なしに、つけたテレビの中の、ドラマだったのですが、来週は、予約録画することにしました。

それだけ、面白かったから、と言いたいところですが、そう、手放しで、ほめてよいドラマかどうかは、実は疑問をもっています。

この頃、NHKが、「梅ちゃん先生」で成功したように、「昭和」ものをやっておけば、外れなし、みたいな風潮って、無いでしょうか?

この「とんび」も、高度経済成長期に生きた、トラック運転手の父と息子を描いたドラマだそうですが、今、こういったドラマをわざわざ作る制作意図って、何なのでしょう?

第一回の最後まで、拝見しましたが、昭和を懐かしむ空気が、テレビからあふれ出しそうなドラマでしたね。

ひとつには、テレビ局のトップ、もしくは中間管理職の方々が、昭和の時代に青春時代を送った世代になられていることが、あるのかもしれません。

今の、人と人とのつながりが、非常に希薄に、無機的になった、よそよそしい時代の空気感に、危機感を抱いておられる層が、こういったべたなドラマの作り手になっているのかも。

でも、どんなんでしょう?

NHKのプロジェクトXが、高度経済成長期への郷愁から生まれたヒット番組だったと思う私には、懐かしんでいるだけでいいの?という思いもあります。

昭和の時代のものづくりや、人と人とのつながり、そういったものを、美しく描くことで、そこから学べることは、あると思います。

しかし、その陰には、大量生産、大量消費時代の幕開けとなっていたり、人口集中と過疎が生まれ始めた時代であったりと、昭和の時代に始まり、今の時代にまで持ち越された負の遺産だって、たくさんあるでしょう。

ドラマを拝見しながら、その意味を深読みする癖のある私には、父権の復活を意図したドラマにも見えました。

父権の復活自体は、私も、今の時代に、ある程度、必要ではないかと思っているのですが、もろ手を挙げて賛成とは、言えない気持ちがしてきました。

かねてから、私は、家庭において、強い父親がいなくなったことは問題ではないか、と思ってきました。

でも、父親の問題は、つまり、母親の問題でもあり、それは、男女が、どのように、お互いを尊重しあうかという、とってもデリケートな事柄なのだと思われます。

我が家の、亡き父は、いわゆる、コワイお父さんでしたが、私は、そういう、家庭における決定権を持った父を、尊敬し、敬愛していました。

でも、父は父で、ほんとは、弱いところも、見せられる家庭だったら、と思っていたかもしれないなぁ、とこのごろ思うのです。

そんな思いを抱き始めた私には、「とんび」というドラマ、いろんな意味で、見逃せない気がします。

安易な昭和への回帰は、賛成できないけれど、ドラマを通して、改めて、昭和という時代について、よく考えてみたいと思った私です。

ちょっとトラック運転手の父役の、内野聖陽さんの演技がクサい気がしましたが、それも、制作サイドの思惑どおり?

重松清さんの、原作を読んでいない私には、今後の展開がどうなるのか全く分からないのですが、それも、楽しみながら、この「とんび」というドラマ、大河ドラマ「八重の桜」を拝見した後、視聴しようと思った次第です。

それでは、みなさま、おやすみなさい。